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報告書

高速炉MOX燃料照射試験による燃料挙動解析コードFEMAXI-8の検証

生澤 佳久; 長山 政博*

JAEA-Data/Code 2023-006, 24 Pages, 2023/07

JAEA-Data-Code-2023-006.pdf:1.42MB

超臨界圧軽水冷却炉(Supercritical Water-Cooled Reactor、SCWR)や、低減速炉(Reduced Moderation Water Reactor、RMWR)において、水冷却環境下でステンレス鋼製被覆管や高Pu含有混合酸化物(Mixed Oxide、MOX)燃料を採用した炉心燃料の検討がなされている。このような炉心燃料概念の研究開発に資するため、高速実験炉「常陽」で照射された高速炉MOX燃料の照射後試験結果に基づき、挙動解析コードFEMAXI-8の解析機能について検証を行った。FEMAXI-8は、軽水炉燃料の通常運転時及び過渡条件下の挙動解析を目的として原子力機構が開発・整備を進めてきた挙動解析コードで、最新バージョンのものである。この最新バージョンでは、事故耐性燃料等の改良型燃料についても取り扱うことが出来るようステンレス製被覆管の物性モデルも選択できるように改良・開発されている。本報告書の目的は、軽水炉よりも高出力、高燃焼度で照射され且つ高Pu含有MOX燃料、ステンレス鋼製被覆管を採用した高速炉MOX燃料を検証データとして加え解析機能を確認することで、現在研究開発が進められている新型の炉心燃料の照射挙動に対するFEMAXI-8の予測精度を確認することである。検証の結果、軽水炉のPu含有率、照射条件を超え、ステンレス鋼製被覆管を採用したナトリウム冷却型高速炉MOX燃料の照射挙動に対しても、顕著な組織変化が生じない範囲であればFEMAXI-8は十分な解析精度を有していることを確認した。今後、MOX燃料熱伝導度のO/M比依存性や、高温時の照射挙動評価モデルを採用することで、FEMAXI-8の解析精度の向上を図ることが出来ると考えられる。

論文

事故耐性燃料(ATF)の開発状況,1; 原子力の安全性向上に資する技術開発事業での事故耐性燃料の開発の概要

山下 真一郎

日本原子力学会誌ATOMO$$Sigma$$, 65(4), p.233 - 237, 2023/04

2011年の東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故を契機に、軽水炉の安全性を飛躍的に高めることが期待される事故耐性燃料(ATF)の早期実用化への関心が世界的に高まり、現在、世界中の多くの国々で研究開発が進められている。本稿では、2015年より、経済産業省資源エネルギー庁の支援のもとで進められてきている、国内のATF技術開発の概要を紹介する。

論文

An Experimental study related to axial constraint of fuel rod under LOCA conditions

永瀬 文久

Annals of Nuclear Energy, 171, p.109052_1 - 109052_8, 2022/06

 被引用回数:2 パーセンタイル:53.91(Nuclear Science & Technology)

冷却材喪失事故において、酸化されたZr合金被覆管がスペーサーグリッドにより急冷時に強く拘束されると燃料の破損限界が低下する。したがって、軸方向拘束の現実的なレベルを推定することが、燃料の安全性に関するひとつの課題である。本研究では、PWR型模擬燃料セグメントと3$$times$$3グリッド片からなる試験体を、水蒸気中で加熱,冷却、および急冷し、燃料セグメントにかかる軸方向拘束力を測定した。ジルカロイ製グリッドの拘束力は温度とともに徐々に低下した。1060K以上に加熱されると、拘束力の低下は回復しにくく、冷却および急冷時の最大拘束力は以下10Nであった。インコネル製グリッドについては、拘束力が以上1070Kで明らかに減少したが、冷却により部分的に回復した。インコネル製グリッドによる最大拘束力は20から50Nであった。従来研究で予測されたような非常に強い拘束は、グリッド位置での酸化,膨れ,破裂、または共晶形成によって起こる可能性は一般的には低い。

論文

高燃焼度燃料への非常用炉心冷却系性能評価指針の適用性検討に関する研究の状況

小澤 正明*; 天谷 政樹

日本原子力学会和文論文誌, 19(4), p.185 - 200, 2020/12

発電用軽水炉(LWR)では、冷却材喪失事故時に炉心の冷却可能形状を維持するとともに放射性核分裂生成物の公衆及び環境への放出を最低限にするために設計された非常用炉心冷却系(ECCS)が設けられている。LWR用ECCSに関する規制基準は、設計上の安全機能及び性能の評価並びに安全評価結果の安全裕度を確保するために定められている。日本における現在の基準は1981年に定められ、これは旧基準に対し当時の知見を加えたものである。この基準制定以降、燃料被覆管の材質、設計等を変えることで燃料燃焼度が進展し、これに伴い高燃焼度燃料のLOCA時の安全性を評価する研究を通して更に知見が蓄積されてきた。本論文では、日本の現行のECCS基準の高燃焼度燃料への適用性に関する最近の研究成果と今後の課題をまとめた。現在までに得られている研究成果によれば、燃焼度進展がLOCA時の被覆管酸化や急冷時破断限界に及ぼす影響は小さく、現行基準が高燃焼度燃料にも適用可能であることが分かった。

論文

Optimization of light water reactor high level waste disposal scenario in the situation of delayed reprocessing with existing and demonstrated technology

深谷 裕司

Annals of Nuclear Energy, 144, p.107503_1 - 107503_7, 2020/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)

軽水炉の高レベル廃棄物の廃棄シナリオは、廃棄物量と地層処分における処分場専有面積を削減するために最適化を行った。再処理が遅れる状況での既存技術及び実証技術のみを使用した最適化を実施した。一般に、使用済燃料が最小の冷却時間ですぐに再処理される状況において、発生する廃棄物パッケージ数を最小限に抑えることを目的として、分離変換シナリオが最適化れる。再処理の遅延を考慮すると、高充填ガラス固化体とコールドクルーシブルメルター技術を使用し、分離することなく、より簡素化された効果的な最適化が実施できた。最適化ケースでは、廃棄物発生体数と処分場専有面積を、分離変換を用いないケースに対し100年間の冷却で、半減できる大幅な減容効果を確認した。

論文

ステンレス鋼の亀裂先端における高温水中酸化に及ぼす荷重付与の影響

笠原 茂樹; 知見 康弘; 端 邦樹; 塙 悟史

材料と環境, 68(9), p.240 - 247, 2019/09

ステンレス鋼のBWR一次系水中環境助長割れ機構検討の一環として、荷重を付与したCT試験片を290$$^{circ}$$Cの高温水に浸漬し、疲労予亀裂先端近傍の酸化物を観察した。酸化物内層は、Fe, Ni, Crを含むスピネル構造の微細粒、外層はFe$$_{3}$$O$$_{4}$$の結晶粒であった。FEM解析によるCT試験片亀裂先端の応力、ひずみ分布との比較より、塑性変形に伴う転位と弾性ひずみの重畳によって酸化物内層の形成が促進されることが示唆された。

報告書

原子力における水素安全対策高度化ハンドブック(第1版)

日野 竜太郎; 竹上 弘彰; 山崎 幸恵; 小川 徹

JAEA-Review 2016-038, 294 Pages, 2017/03

JAEA-Review-2016-038.pdf:11.08MB

福島第一原子力発電所事故後に、シビアアクシデント時の水素対策は、我が国において大きな技術的課題として認識されるにいたった。しかし、原子力技術者と燃焼・爆発の専門家との間で共通の知識基盤を形成し、将来の原子力安全を確保、向上させていく努力は始まったばかりである。そのような活動の一つとして、「原子力における水素安全対策高度化ハンドブック」を、資源エネルギー庁受託事業「水素安全対策高度化」の一環として作成した。本ハンドブックでは以下を目指した:(1)原子力の技術者が理解しておくべき水素安全技術の先端を示す、(2)原子力技術者に協力すべき燃焼、爆発専門家向けに、原子力における水素安全の要点が示されているものとする、(3)事故後廃棄物管理までを視野に入れて、放射線分解水素に関する情報を拡充する、(4)過酷事故解析等の特定・狭義の専門家を対象にするものではなく、高度な解析式なしに迅速に図表で判断を助けるものとする、(5)解析技術者にも役立つように、詳細なデータベースの所在や、最新の解析ツールのオーバービューを添える。

論文

複雑な実環境をシミュレートしたデータ取得にもとづく腐食要因の解明; 海洋環境と原子力施設を例として

山本 正弘

材料と環境, 66(1), p.3 - 12, 2017/01

腐食現象の発生メカニズムを明らかにするために、実験室的に実環境での腐食を再現するシミュレーション試験法を検討してきた。本稿では、海洋環境と原子力施設を例にこの手法に関して紹介する。海洋での腐食については、干満帯直下で見られる腐食極大に着目した。実環境を再現する試験を実施した結果、この領域では干潮時には、干満帯部をカソードとして腐食が進行し、満潮時には海中部深くをカソードとした腐食が進行し、長期間アノードが固定する現象が観察された。これは、アノード溶解が継続することで環境が変化して、腐食し続ける、いわゆる、「とけぐせ」と呼ばれる腐食現象と考えられる。原子力施設については、高い放射線環境での腐食解析や電気化学測定が可能な装置を駆使してきた。一例は、核燃料再処理施設でのNpの混入による腐食加速現象が、Np$$^{6+}$$がステンレス鋼表面で還元され腐食が進行し、還元されたNp$$^{5+}$$がバルク溶液中に再酸化されるため、微量のNp混入でも腐食が加速されることを示した。また、軽水炉内での放射線環境で生成する過酸化水素の影響についても評価する手法に関しても紹介した。

報告書

チェレンコフ光観測の原子炉計測への適用,3; チェレンコフ光評価システムの軽水炉用使用済燃料要素評価

山本 圭一; 武内 伴照; 林 隆康*; 小菅 史明*; 土谷 邦彦

JAEA-Testing 2016-002, 25 Pages, 2016/11

JAEA-Testing-2016-002.pdf:4.97MB

原子炉出力変化時におけるチェレンコフ光の輝度などの変化を定量的に測定及び評価し、原子炉内の核的・熱的情報をリアルタイムで計測が可能なシステムを構築するための開発を行っている。本システムは、既存軽水炉における運転管理技術・炉心計画の高度化及びシビアアクシデント時にも対応できる監視システムへの適用を目指している。本報告書は、JAEA-Testing 2015-001で記載したチェレンコフ光評価システムを改良し、改良したシステムを用いて、発電用原子炉の使用済燃料要素についての検証を行った結果についてまとめたものである。

論文

Establishment of technical basis to implement accident tolerant fuels and components to existing LWRs

山下 真一郎; 永瀬 文久; 倉田 正輝; 加治 芳行

Proceedings of Annual Topical Meeting on LWR Fuels with Enhanced Safety and Performance (TopFuel 2016) (USB Flash Drive), p.21 - 30, 2016/09

我が国では、軽水炉の事故耐性を向上させるために、新しい材料及び概念で設計された燃料棒、チャンネルボックス、制御棒を開発してきている。事故耐性燃料や燃料以外の要素部材を効率的かつ適切に導入するためには、基盤となる実用的データを蓄積するだけでなく、技術成熟度を考慮するとともに、知見が不足している部分を認識し、設計・製造のための戦略を構築する必要がある。日本原子力研究開発機構(JAEA)は、経済産業省(METI)の平成27年度委託事業において、前述の技術基盤を整備し、事故耐性燃料やそれ以外の要素部材の既存軽水炉への導入に向けた研究計画案を策定した。技術基盤の整備には、軽水炉におけるジルコニウム合金の商用利用の経験を活かすことが有効である。そのため、JAEAは、本METI事業を、これまでの事故耐性燃料開発に携わってきた国内プラントメーカー,燃料製造メーカー,研究機関,大学等と協力して実施した。本論文では、事故耐性燃料やそれ以外の要素部材の技術基盤整備のために実施した本プロジェクトに関して、主だった結果を報告する。

報告書

平成26年度研究開発・評価報告書 評価課題「核燃料物質の再処理に関する技術開発」(事後評価)

再処理技術開発センター

JAEA-Evaluation 2015-012, 83 Pages, 2015/12

JAEA-Evaluation-2015-012.pdf:6.67MB

日本原子力研究開発機構(以下、「原子力機構」という。)は、「国の研究開発評価に関する大綱的指針」及び「文部科学省における研究及び開発に関する評価指針」、並びに原子力機構の「研究開発課題評価実施規定」等に基づき、第2期中期目標期間(平成22$$sim$$26年度)における軽水炉使用済燃料の再処理技術開発及び民間事業者の核燃料サイクル事業への支援として「核燃料物質の再処理に関する技術開発」に係る事後評価を研究開発・評価委員会(高速炉サイクル研究開発・評価委員会)に諮問した。これを受けて、高速炉サイクル研究開発・評価委員会は、第2期中期目標期間における軽水炉使用済燃料の再処理技術開発及び民間事業者の核燃料サイクル事業への支援について、妥当であると評価した。

論文

NSRR RIA-simulating experiments on high burnup LWR fuels

更田 豊志; 杉山 智之; 笹島 栄夫; 永瀬 文久

Proceedings of 2005 Water Reactor Fuel Performance Meeting (CD-ROM), p.633 - 645, 2005/10

NSRRでは軽水炉燃料の反応度事故(RIA)時挙動の研究を行っている。最近実施したOI-10及び-12実験では燃料破損には至らず、OI-11実験では破損時エンタルピが高いという結果を得た。これらの結果は、PWR運転中の耐食性が向上した新型被覆管の性能を反映しており、これらの被覆管を備えた燃料はジルカロイ4被覆燃料に比べてより大きな安全裕度を有すると言える。加えて、大粒径ペレットによる粒界ガス蓄積量の低減は、OI-10実験で観測されたように、RIA時のFPガス放出量を抑制し得る。VA-1実験は燃焼度78MWd/kgUのMDA被覆PWR燃料に対して実施した。高い燃焼度及び約81$$mu$$mという厚い酸化膜にもかかわらず、破損時エンタルピは燃焼度50$$sim$$60MWd/kgUで40$$mu$$m程度の酸化膜を持つ燃料に対する結果と同程度だった。この結果は、ペレットの固体熱膨張がPCMIの主要因であるため、ペレット周辺部の高燃焼度組織(リム組織)が破損時エンタルピの低下に及ぼす影響は小さいことを示唆している。

報告書

原研-サイクル機構融合研究成果報告書; 照射環境における原子炉構造材料の劣化現象に関する研究

上野 文義; 永江 勇二*; 根本 義之; 三輪 幸夫; 高屋 茂*; 星屋 泰二*; 塚田 隆; 青砥 紀身*; 石井 敏満; 近江 正男; et al.

JAERI-Research 2005-023, 132 Pages, 2005/09

JAERI-Research-2005-023.pdf:33.03MB

原研とサイクル機構は、平成15年度から研究開発の効率的推進と研究の相乗的発展を目指す「融合研究」を開始した。本研究は、「融合研究」の一つとして、高速炉や軽水炉環境などの照射環境において生じる構造材料の照射劣化現象を対象に、劣化機構の解明,早期検出及び評価方法の開発を目的とした。平成16$$sim$$17年度は、本研究に用いる照射材対応の遠隔操作型の微少腐食量計測装置,腐食試験装置及び漏えい磁束密度測定装置を整備し、SUS304の照射後及び非照射クリープ試験片や照射後高純度モデル材を共通試料とし、両手法を用いた劣化検出を試みるとともに、比較のための非照射劣化模擬試料を用い、基礎的なデータを取得した。これらの結果に基づき、本研究において提案した劣化評価法の適用性を検討した。

報告書

第7回低減速軽水炉研究会報告書; 2004年3月5日,東海研究所,東海村

秋江 拓志; 鍋島 邦彦; 内川 貞夫

JAERI-Conf 2005-009, 153 Pages, 2005/08

JAERI-Conf-2005-009.pdf:14.7MB

「低減速軽水炉研究会」は、原研が革新的水冷却炉として研究を進めている低減速軽水炉について、研究の効率的推進に資することを目的とし、所内関連部門の研究者と所外研究者とが情報交換を行う場として、平成10年3月の第1回会議以来毎年開催しているものである。第7回となる今回の研究会プログラムは、講演5件と総合討論により構成されている。本報告書は、各講演の論文と質疑応答集、及び総合討論の議事録を掲載するとともに、付録として各発表者が使用したプレゼンテーション資料を添付した。

論文

大規模シミュレーションによる稠密炉心内気液二相流特性の解明,4; 地球シミュレータを用いたTPFITコードの燃料集合体内大規模二相流解析

吉田 啓之; 小瀬 裕男*; 呉田 昌俊*; 永吉 拓至*; 高瀬 和之; 秋本 肇

日本原子力学会和文論文誌, 4(2), p.106 - 114, 2005/06

原子炉の熱設計においては実験により得られた各種の構成式を含む解析コードが用いられるが、超高燃焼水冷却増殖炉などで用いられる高稠密炉心への構成式の適用性は十分には確認されていない。そこで、原子炉熱設計における"Design by Analysis"の確立を目指し、炉心内気液二相流の数値シミュレーション手法を開発している。この本手法開発では、炉心内の流体混合挙動等を詳細に解析可能な解析手法を開発している。本研究では、この一環として、稠密炉心内等の二相流を高精度に解析するため、高い体積保存性を有する界面追跡法の開発及び検証を実施している。本報では、大規模解析を現実的な時間で可能とするため、TPFITコードのベクトル化及び並列化を実施した。ベクトル並列化したTPFITコードを稠密炉心内二相流の解析に適用し、中性子ラジオグラフィにより観察されたボイド率分布と同様の結果が得られることを確認した。

論文

大規模シミュレーションによる稠密炉心内気液二相流特性の解明,3; 傾斜平板上液膜挙動の解析

吉田 啓之; 永吉 拓至*; 小瀬 裕男*; 高瀬 和之; 秋本 肇

日本原子力学会和文論文誌, 4(1), p.25 - 31, 2005/03

原研で開発している超高燃焼水冷却増殖炉では高稠密炉心が用いられるが、原子炉熱設計で使用される構成式の高稠密炉心への適用性は十分には確認されていない。そこで原子炉熱設計におけるDesign by Analysisの確立を目指し、炉心内二相流の数値シミュレーション技術を開発している。本研究では、この一環として、稠密炉心内二相流を高精度に解析するため、高い体積保存性を有する界面追跡法の開発及び検証を実施している。本報では、開発した界面追跡法を用いた二相流詳細解析コードTPFITの検証作業の一環として、傾斜平板上液膜流解析を実施し既存実験と比較した。その結果、液膜厚さの時間平均値は、Nusseltの理論値と一致し、液膜厚さの最大値及び統計量も実験とよく一致することを確認した。また液膜内速度分布も、解析は実験と定性的に一致しており、TPFITコードにより、液膜流を解析できる見通しが得られた。

論文

Effect of cladding surface pre-oxidation on rod coolability under reactivity initiated accident conditions

杉山 智之; 更田 豊志

Journal of Nuclear Science and Technology, 41(11), p.1083 - 1090, 2004/11

 被引用回数:10 パーセンタイル:55.72(Nuclear Science & Technology)

反応度事故(RIA)条件下で被覆管表面予備酸化膜が燃料棒の冷却性に及ぼす影響を調べた。照射済燃料棒の表面では膜沸騰遷移(DNB)が抑制され、またクエンチが早く生じるため、結果的に未照射燃料棒よりも冷却性が高いことがNSRR実験により示されてきた。沸騰遷移に影響を与え得る要因を考察した後、最も可能性が高いと考えられる表面予備酸化膜の影響について、未照射燃料に対するパルス照射実験により検証を行った。被覆管表面の条件としては、酸化膜無し,1ミクロン及び10ミクロン厚酸化膜付の3通りを用意した。温度計測結果により、酸化表面では温度及び燃料エンタルピに関するDNB発生しきい値が上昇し、同時に、クエンチ発生温度が上昇することで膜沸騰継続時間が短縮されることが示された。これら限界熱流束点及び極小熱流束点の変動は表面ぬれ性の増大により起こり得る。本実験においては、酸化膜の厚さではなくその有無が結果を左右していることから、酸化時の表面粗さ増大ではなく、酸化による化学ポテンシャルの変化が表面ぬれ性に影響を与えたと考えられる。

報告書

サイクル機構-原研融合研究成果報告書; 照射環境における原子炉構造材料の劣化現象に関する研究(共同研究)

星屋 泰二*; 上野 文義; 高屋 茂*; 永江 勇二*; 根本 義之; 三輪 幸夫; 青砥 紀身*; 塚田 隆; 阿部 康弘*; 中村 保雄*; et al.

JAERI-Research 2004-016, 53 Pages, 2004/10

JAERI-Research-2004-016.pdf:22.07MB

日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構は、平成15年度から、両機関の統合に向けた先行的取り組みとして、研究開発の効率的推進と相乗的発展を目指す「融合研究」を開始した。本研究は、原子炉構造材料分野における「融合研究」として、高速炉や軽水炉の照射環境における構造材料について、照射劣化機構の解明,劣化の早期検出及び評価方法の開発を目的とする。平成15年度は、本研究に用いる遠隔操作型磁化測定装置及び微少腐食量計測装置の設計及び開発を行った。耐放射線及び遠隔操作を考慮したこれらの装置により、照射後試料の劣化現象を高感度に検出することが可能となった。今後、両装置を用いて照射材を用いた材料劣化の研究を実施する。

論文

革新的水冷却炉

大貫 晃

日本機械学会動力エネルギーシステム部門ニュースレター, (29), p.3 - 5, 2004/10

革新的水冷却炉は軽水炉技術に立脚し、炉心構成を変更することでPuの多重リサイクル利用やウラン資源の有効利用によるエネルギーの長期安定供給に貢献できる魅力ある原子炉である。本特集記事では革新的水冷却炉の概要を述べるとともに、新たに行うべき研究開発の主要課題に対する概況をまとめた。

論文

稠密14本バンドル内沸騰二相流の可視化

呉田 昌俊

可視化情報学会誌, 24(Suppl.1), p.265 - 268, 2004/07

稠密バンドル流路内を流れる沸騰流のボイド率を、中性子トモグラフィ技術で3次元分布を計測、高速度撮像中性子ラジオグラフィ技術で瞬時値分布を計測し、同一流動条件を多角的に可視化観察することで特徴的な現象を抽出した。この2技術をセット("3D"+"2D+Time")で使用した本実験で、以下の点が新たにわかった:(A)時間平均空間分布から高ボイド率スポットが最上流部の狭間隙部で観察された。一方、瞬時値の時系列観察では、正味の沸騰開始点は統計的に広く分布しており、定常的な高ボイド率スポットは認識できなかった。(B)時間平均空間分布から"Vapor Chimney"現象が観察された。この現象を、瞬時値の動画表示で連続性に注視して観察すると、三角形状の流路部に連続した蒸気通路が形成されているとは限らず、広い条件範囲で蒸気泡・スラグが群を成して間欠的に流れていることがわかった。

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